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01 / Life:ELL

  • 執筆者の写真: 味方傷乃
    味方傷乃
  • 2021年8月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年10月12日


五人で住む、二階建ての家。

一階には五人でも少し余るくらいの広いリビングとキッチン。

二階には書庫と、お風呂と、五人それぞれの個室がある。



私たちは、「ハドニア」と名付けたこの家から出たことがない。 正確には、「出る必要」がない。



私たちの代わりにユミトさんという親のような存在、と言い切るにはちょっと他所他所しい男の人が、定期的に食料や日用品などを持ってきてくれる。


ユミトさんは、一階にある私たちが立ち入り禁止の部屋から外の世界とここを出入りしているようだ。




私たちは、「外の世界」を知らない。




この家には窓が無く、窓とおぼしきものも外から何か貼り付けられているようで、外の様子は少しもわからない。


ただ、他にまだ人がいるというには静かすぎる。

やはり、この外に出たところで何かあるとは思えない。


ユミトさんもハドニアの外の話は何もしない。


もしかしたらこの外では廃退した世界が広がっているのかも、とオリくんと話したことがある。






存在している、又は、していた「外の世界」の事は、ハドニアにある書庫で学んだ。


学校があること、市場があること、人間の他にも生き物がいること。

自然光があること。


この世界には人がたくさんいるかもしれないこと。


私が持つ医学の知識も全て本からの受け売りだ。


退屈を凌ぐにはじゅうぶんな本の数と知識の量だったけれど。

その本たちは、何かが抜け落ちたまま、語られているようにも見えた。

その何かが、何であるかはまだ推測することもままならないが…。 [01 / Life:ELL]



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