XX / Hadonia:ELL
- 味方傷乃

- 2021年8月24日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年8月27日
私たちは住んでいるこの場所を、「ハドニア」と呼ぶことに決めた。
意味合いとしては、小さな、特別な、とか。
辞書でこの言葉を引いた時はみんなで顔を見合わせた。
名称をつけた切っ掛けは、この前絵本を読んでいたマーリユが突然立ち上がって、この場所の名前を欲しがったからだ。
どうやら王国ものの話を読んでいたらしい。
名前をつけるために、一ヶ月ほど費やしてみんなで本や資料をたくさん読んだ。
小説、辞書、歴史から地図まで。
文字を読むのが嫌いなルアンくんも、この時は楽しそうにしていた。
普段は絵本しか読まないマーリユも地図を楽しそうに眺め、地名とにらめっこしては、オリくんに話しかけに行っていた。
マオくんは、素敵な場所にぴったりの名前をつけたいねと、良い言葉があればノートに片端から書き留めていた。
それくらい思い入れのある場所。
そうして私が辞書で引き当てた「ハドニア」に決まった。
私たちは、物心ついたときからハドニアにいる。
私と、オリくんとマオくんが最初にいて、次にルアンくん、最後にマーリユ。
この五人で穏やかな日々を暮らしてきた。
たまに、私たちの保護者のような存在であるユミトさんがハドニアに出入りするけど、ユミトさんの滞在時間は一週間に二時間あるかないかくらい。
生まれは多分、みんな違う五人。
だけど、遊ぶのも、ご飯を食べるのも、勉強するのもみんな一緒に。
今までも、この先もずっとそう。
みんなで長く、幸せに暮らせますように。
[XX / Hadonia:ELL]




コメント