00 / Diary : MAO
- Hadonia

- 2021年4月23日
- 読了時間: 6分

xx/xx Mod
今日は五人みんなで映画を見た。マーリユのリクエストの怖い映画だ。
さらに、マーリユの希望で鑑賞中は部屋を暗くすることになった。
メイクを施された人間の容姿が不気味だったり、突然襲い掛かってくるシーンには驚いたが、内容はさほど怖いものではなかった。
マーリユは時折肩を震わせていたが、見終わった後に感想を聞いたら、つまんなかったと言っていた。エルちゃんも、もういいかなという表情だった。
鑑賞中、オリさんは全くの無反応。比べてルアンは近くにあったタオルケットに身を包み、前が見えているのか見えていないのかという態勢になっていた。
映画を見終わった後、エルちゃんがクッキーを焼いてくれた。とても美味しかった。
xx/xx Tyg
エルちゃんが献立について悩んでいたので、一緒に考えることにした。
エルちゃんはいつも一週間ごとに献立をまとめてメモしている。その日の14時、食卓には本がたくさん並んでいた。どれを開いても料理のレシピ本だった。
そんなにこだわらなくてもエルちゃんの料理は整っていると思うし、飽きる品数ではないと言ったが、考えるのが楽しいと言っていたので、見守ることにした。
みんなは食べれないものはないが、好き嫌いが少しあるので、献立を考えるのは楽しくあっても大変だろうと思った。
オリは肉があまり好みではなく、逆にルアンは肉を好んでよく食べた。マーリユは卵が嫌いで、僕はそもそも食事があまり好きではなかった。
食事は好きではないけれど、エルちゃんが作ったご飯は美味しいし、みんなで食べる時間は楽しい。
エルちゃんは献立を考え終えると、さっそくご飯の準備を始めていたので、今日はお手伝いすることにした。
キッチンを通りかかったルアンが、僕に嫌な顔をしてどこかに行ってしまったのが、今日の悲しいお話。
xx/xx Weis
この家に手作りの時計ができた。作者はオリさん。
マーリユが使わなくなった積み木が時計の枠として使われていて洒落ていた。
みんなが起きる時間と、おやつの時間にチャイムが鳴るようになっている。
時計を設置しているオリさんを見に行ったら、詳しく時計の内部構造を話してくれたが、詳しすぎるあまり僕にはあまり理解できなかった。
時計の下にある紐を引っ張ると手動でチャイムが鳴らせるらしく、マーリユとルアンが楽しそうに鳴らしていた。
その日のおやつの時間は時計のチャイムで集まった。
おやつは、自分たちの手で育てているグラジアという花を使って、毎日エルちゃんがお菓子を作ってくれている。よく作るのは凍らせた果物と、摘みたてのグラジアをミキサーにかけてつくるジェラート。今日は桃のジェラートだった。
xx/xx Sarz
この家には壁一面本棚になっている部屋があり、そこでみんなと本を読んだ。
最初はエルちゃんの絵本読み聞かせから始まり、その後みんなで世界を勉強する時間を作った。それから各々好きな本を読んだり、ゆっくり過ごした。
エルちゃんは架空の世界の話が好きらしく、ファンタジーな小説を読んでいた。マーリユは動物図鑑を見ながら、象を指して、お庭で育てられないかなあと言っていた。
オリさんは色々なものの設計図が書かれた本を見ており、ルアンは片っ端から漫画を読み漁っていた。
xx/xx Fooz
いつものように起きてリビングに行ったら、エルちゃんが驚いた様子でこちらを見ていた。
早く部屋に戻って!と言われて、何のことだかわからず、エルちゃんにされるがままにベッドに寝かされた。
さっき起きたばっかりだよと言ったら、額に手を当てられて、ひどい熱だよと、氷水を渡された。
僕はとくに身体に違和感はなかったが、歩き回って迷惑かけるのも悪いと思い、ベッドで大人しくしていた。
今日のおやつはクッキーで、どうも食欲だけは湧かなかったので食べなかった。
本を読んだり、音楽を聴いたりして時間をつぶした。退屈だなあと何度か思ったが、その日は悪くなかった。
ルアンが水を運びに来てくれた。彼が僕の部屋に来るのは珍しいことなので、とても嬉しかった。彼らしくもない、大丈夫か?なんて声かけてくれたりして。笑顔で大丈夫と返したら、浮かない表情をされたが、彼なりの照れ隠しと考えることにした。
xx/xx Tars
熱を出した次の日、エルちゃんは僕を見て全快だねと声をかけてくれたが、なんだかその声は遠かった。部屋が暗かったので、明かりを少し多くつけた。
エルちゃんの配慮で、ご飯は食べやすいリゾットやスープ中心の献立に変えてくれていた。
しばらくみんなの声が遠くに聞こえたが、気づいたら治っていた。
些細なおかしなことは、この世界によくあることだから、大したことではなくても、記録にしておこうと思う。
xx/xx Snyz
今日はマーリユと遊んだ。最初はおままごとから始まった。僕が何故かママで、マーリユがパパだった。おままごとなんて何の本で学んだのだろう。想像力が豊かだなあと思った。
マーリユがご飯を作っている間、僕の膝の上には熊のぬいぐるみが置かれた。なでなでしていて!と言われたので、なでなでして待っていたら、マーリユは満足そうな顔をしていた。
作ってくれたご飯は、焼いたじゃがいもだけという一品料理だった。
xx/xx Tois
今日はユミトさんが来てくれた。食料と、本と、そのほかのその時必要なものを送り届けてくれる。
マーリユは人形を受け取ってはしゃぎ、エルちゃんは調味料や調理器具をキッチンに並べていた。
オリさんは物を作るための資材や工具をいつも頼んでいた。本はユミトさんのご厚意でリクエストせずとも入れ替えたりしてくれるため、ルアンは漫画の続きが読めればいいと言って特に何も頼んでいなかった。
僕はユミトさんからペンダントを受け取り、自分の部屋に大切に仕舞った。
xx/xx Lvis
ルアンがグラジアに水をやっていた。ドアを開けた音に気付いていなかったので、こっそり近づくことにした。後ろから声をかけたらルアンは驚いて如雨露を手放し、土に尻もちをついた。
ルアンに意地悪するのは好きだが、さすがに申し訳なくなって伸ばした手は案の定振り払われてしまったが、いつものように睨まれることはなかった。
ルアンは服についた土を振り払い、水やりをすまして、部屋に帰ってしまった。
僕は彼と仲良くしたいだけ、というと嘘になってしまう。ルアンは単純で面白い。だから手を出したくなってしまう。この日記を彼が見たら怒るだろうか。
僕の少ない友達であるから、今後は気を付けようと思う。
xx/xx Meyz
今日はこれといって書くことがない。いつもと変わらぬ日を送った。
おやつのケーキがおいしかったことしか書くことがないのは、幸せと言うべきだろう。
記すことがないのは、行動範囲が狭いせいだとわかっている。だが、広げたところで何が変わることもない、なんならできることが減るだろう。
僕らは安全が約束された場所にいる。
僕らはここに留まるのが最適である。
ここは僕らだけのハドニア。
幸せが灯る五人だけの国。
[00 / Diary : MAO]




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